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最近のカーコーティング事情 vol.01

時代の流れとともに変化してきたコーティング/WAX~ポリマー~ガラスコーティングの時代へ…

WAXからコーティングへ…

さて、Waxの効果とはどのようなものでしょう?
皆様はなぜWAXを掛けるのでしょう?
カーショップに並んでいる商品を見てみると、抜群の保護効果、水がよく弾く、水垢がこびり付かずサッと取れる、見違える光沢、などなど、ここには書ききれないほどの効果が書かれています。
また、車を初めて購入して、一番初めにカーショップ等に買いにいくのがこのWAXだと言われています。
Waxは、ガソリンスタンドさんなんかで掛けてもらうこともできますが、通常は、車のユーザーが、洗車後に自分で掛けるのが一般的なのではないでしょうか。
しかし、1BOX等の大きな車に洗車した後にWaxXを掛けるのは非常に大変です。
特に夏場の暑い日や、冬場の寒い日などは苦行に近いものがあるかもしれません。
そこで生まれた発想というか商品が、「コーティング加工」です。
「1度掛けると面倒なWaxはしばらく必要ありません」という素晴らしい加工なのです。
○年間NoWax!というキャッチフレーズをもとに、主にコーティング施工店さんやディーラーさんで、液剤を販売しているのではなく、加工の受注を行っています。
が、しかし、本当に「○年間NoWax!」の効果は、の謳い文句のように発揮されているのでしょうか??

コーティング加工の存在

車に施すボディコーティング加工。いわゆる、「No Wax」加工ですが、一昔前までは、車のコーティング加工を専門に行っているお店でプロに施工してもらう、というのが一般的で、どちらかと言うとマイナーな存在のものでした。
しかし、近年、そういった「カーコーティングを専門に加工しているお店」以外にも、新車ディーラーや中古車販売店、街で見かける鈑金屋さん(ボディショップともいう)やカーショップ、ガソリンスタンド、修理工場等、車関係の場所では、まずどこでも取り扱っている、というほどメジャーな存在になりました。
また、カーショップの「Wax」コーナーには、自分でWaxの代わりにかけられる「コーティング剤」まで見かけるようになりました。

WAXの正体!

当然の事ながら、コーティング剤の効果は、Waxに比べて長期間の間持続しなければ意味がありません。
Waxの主成分はワックスはカルナバヤシから取れるカルナバロウ(油脂)が主成分です。

カルナバロウ

カルナバロウは、カルナバヤシという椰子の葉から抽出される蝋です。
ただし、Waxはこのカルナバロウだけで出来ているわけではなく、カルナバロウを含有してある石油系溶剤です。

カルナバロウ、シリコン等を石油系溶剤として混ぜ合わせて、もしくは石油系溶剤のみで形成されているものを車に塗るのに適した商品として販売されている物がWaxというわけです。

石油系溶剤でコーティング!?

洗剤で分解されてしまう

コーティング剤にも色々ありますが、ほとんどはこういった石油系溶剤になります。
実際、石油系溶剤で形成されたコーティング剤とWaxを区別する明確な基準はほとんどなく、物により ますがほとんど同じと言えるものまであったりします。
色々な石油系溶剤を混ぜ合わせて出来上がったコーティング剤は、どうしても油脂が主体でできている 油性コーティングのため、強めの洗剤で洗浄したりすると、分解されてコーティング被膜が取れてしまったりする場合があります。

油性での限界

また、屋外駐車の保管環境だと雨や風、気温の差によって、コーティング被膜が落ちてしまって効果がなくなってしまっている車を見かけることがあります。さらに油脂は、熱と酸素で酸化してしまいます。
最近だと技術の進歩で、それなりに持続するものも出てきたりしていますが、それでも油性コーティング剤にはどうしても限界があります。

メンテナンスが必要な理由

そこで、油性コーティング剤は長期間持たせようとすると、頻繁な塗り替えや劣化したコーティング被膜のクリーニングが必要となります。これが、コーティングの定期メンテナンスが必須な理由で、定期的にメンテナンスを行っていないと全く効果を持たせる事が出来ず、綺麗な状態はまず保てません。

通常3ヶ月程度

通常の油性コーティングの耐久性は3ヶ月程度のものがほとんどで、後はメンテナンス次第といった ところでしょうか。たしかにセルフメンテナンス、施工店での定期メンテナンス、すべて行うと結構な出費にはなりますが、ある程度、綺麗な状態は保ち続ける事はできます。
塗り替えとクリーニングを頻繁に行うと、綺麗なのは当たり前と言えば当たり前なのですが…。

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見極め方 非常に多種多様のコーティング剤が世に出回っており、見極めるのも大変です。本当の意味で長期間持続するものの簡単な見極め方は、まず、「コーティング剤が硬化するか」にあります。塗装の表面で硬化するコーティング被膜ができるということは、一旦硬化してしまうと洗剤で流れ落ちたり、雨で流れ落ちたり、自然に蒸発したりしないという事になります。本当の被膜ができるコーティング剤は、液剤を固めるとそのままの形で硬化してしまい、目で見ることのできる結晶になります。 硬化するものの中でも まず、完全に固まってしまう被膜でコーティングする事がなにより先決で、その次には硬化したものの成分が重要になってきます。たとえ硬化したとしても、すぐに劣化してしまうようなコーティング被膜になってしまっていては、あまり持続期間も見込めません。明らかに石油系溶剤でできコーティングに比べると、雲泥の差が出ますが、時間が経つごとに変色したり、劣化するようではあまり長期間のコーティング効果は望めません。 劣化しない物質で そこで重要になってくるのが、劣化しない物質で塗装の表面をコーティングで固めてしまう、という事です。そのために、ガラスのような酸化や劣化の起こらない物質でかためてしまおう、という発想が生まれます。そもそもそれが、ガラスコーティングの最初の発想なのです。本物のガラスコーティングは液体ガラスを使用しており、それがそのまま硬化して塗装を守っています。

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費用がかかってしまう 本物であり尚且つ最高のコーティングをプロの技術で車に施工してもらうのは、できる限りの最高の状態で維持するのにはベストな選択とも言えますが、それに対する時間と労力、そのクオリティの代わりにそれなりの費用がかかります。新車ならまだしも中古車ならば下地処理と言われる、ツヤを出したりするための磨き作業を行い、一般的なガラスコーティングならば車の大きさや状態にもよりますが、5万~10万ほどかかります。その初期費用をかけてコーティングして、適度なところでクリーニング等のメンテナンスを行っていくとコストがかかってしまいます。 完全無欠とはいかない 今現在、どんな高価なコーティング加工でも、一度コーティングするともう何もしなくてもよいコーティングは存在しません。磨耗してしまったり表面に付着する汚れがあったりと、どんなコーティングでも完全無欠というわけにはいかないのが現状です。