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【ピッチ・タール】のメカニズムと落とし方

ピッチ・タール被害を徹底検証 ダメージを受ける原因・メカニズムと修復方法を知る

塗装上ではこうなっています

アスファルトの破片等がくっ付いてしまったピッチ・タール。
爪で除去を試みたりすると、伸びて余計に目立ってしまうこともあります。
ピッチ・タールは、主に車輌の下の方に付着し、白い塗装の車に付着するとこげ茶色の点々が無数に目視できます。
鉄粉と色がよく似ているので、小さなものは肉眼では大きめの鉄粉と見分けにくいですが、付着するメカニズムや付着している状態が鉄粉とは全く異なります。 鉄粉がボディの上面中心に付着するのに対して、ピッチ・タールは下廻りに付着します。 タイヤで跳ね上げられた物質が付着しますので、基本的には上面にはほとんどないと言っても良いでしょう。 また付着している状態も鉄粉とは全く異なり、鉄粉が鉄の粉が酸化して塗装に食い込んでいるのに対して、ピッチ・タールはボディ面にガッチリ引っ付いているような付着をしています。 イメージで言えば、固い小さなガムがベチョっと引っ付いているような感じです。
塗装に食い込んでしまっている分けではないので、鉄粉とは違いピッチ・タールそのものを溶かしてあげれば綺麗さっぱり取れるものがほとんどです。
ただ、稀に茶色い染みを残す場合もあります。 一度染みが付いてしまうと少々の研磨でも取れないことが多々ありますので、特に白系のお車ならば早目に除去してあげる方が良いでしょう。

原因は走行時!

主に舗装してまだ間もないアスファルトや夏の日差しで暑く焼けた道路等を走行するとよく付着します。 走行する場所や車の使用環境によって差はありますが、鉄粉同様に使用されている車のほとんどに付着しています。
鉄粉と違い、ピッチ・タールはボディ表面に付く油系の付着物ですので、そのものを分解すれば割と簡単に除去可能です。
走行するお車にはつきものの付着物ですが、稀に染みを残しますので早目の除去を心掛けるのが良いかと思います。

ピッチ・タールを除去するには

【分解除去が簡単安全】
ピッチ・タールは、油系の汚れが単にこびり付い物ですので、そのものを分解してあげれば割と簡単に除去出来ます。 トラップネンドでも除去出来ますが、分解除去の方が簡単で安全なので、専用クリーナーで分解して除去する方が良いかと思います。 専用クリーナーで頑固な物が残ってしまったら、ポリッシングリキッドでさらに磨いてあげればより綺麗になります。
ちなみに潤滑剤の5●6とかでもピッチ・タールは分解できますが、プラスチックやゴム類劣化させるので良くないという事を聞いたことがありますので、車にはやめておいた方が無難かと思います。

今後の対策を考える

【洗車時の習慣にするのがよりベターです】
専用クリーナーで分解してあげれば割と簡単に除去できます。 付着しているピッチ・タールを除去しても、稀に茶色い染みを作ってしまっている場合もありますので、気が付いたら早目に除去するか、洗車作業時の習慣にしておけば、より安全なのではないでしょうか。

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夜、ライトでで照らされたり、太陽が燦々と降り注ぐ下でギラギラ見えるスクラッチ。車のボディはこのスクラッチが少ないほど、光沢が高く反射率が高く、映り込みが綺麗に見えます。 太陽の周りに丸くキズが見えていると思います。 WAXを掛けるときスポンジを円状に動かして行くとこういうキズが入るのだ、と、見え方から思いがちになりますがが、実はたいていのキズは直線なのです。 太陽の周りや、明かりで照らされた周りが際立って見えるためこういう見え方になります。また、キズは塗装表面で乱反射して目立つため、その数が多いほど光沢も低くなります。 キズが少ないと乱反射が少ないため、光沢・反射ともにより鏡面に近くなり、綺麗に見えるようになります。 塗装を鏡面にする、磨き作業とはキズを消す事です。カーケアショップやコーティング施工店で行う鏡面加工とは、すなわちスクラッチ除去作業と言っても良いでしょう。キズは、塗装の表面が切れた状態になっていますので、光が乱反射され色的に言うと白く見えます。 上のイメージ図で言うと谷の部分が切れた箇所、上の左の写真ではキズが白く乱反射しているのがよくわかると思います。 色のコントラストの関係で、色が濃い車ほど傷が目立つのはそのためで、逆に言うと色の淡い車はどちらかというとあまりキズは目立ちません。後、クリアがあるのとないのとでも見え方が違います。 例えば黒の塗料に直接キズが入って乱反射する場合はより目立ち、クリア層にキズが入って乱反射する場合は、透明であるクリアにキズが入り、その下に黒の層がある形になるので、多少見え方が変わってくるのです。

【鉄粉】付着のメカニズムと取り方

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洗車して汚れを落としたはずなのにザラザラする鉄粉。白系の塗装に付くと茶色い粒が見えるほどになる場合もあります。 上の左の画像はボディ面にびっしり付着した鉄粉を、鉄粉除去剤にて除去しているう様子です。鉄粉が除去剤に反応して紫色に溶解しているのが分かります。 右のイラストが鉄粉付着のイメージ図となります。洗車して汚れを落としたはずなのにザラザラする鉄粉。  白系の塗装に付くと粒が茶色のため、目視で茶色い点が見えるほどになる場合もあります。鉄粉が塗装に刺さった状態というのは、酸化鉄が塗装表面にくい込んだ状態の事を指します。 その刺さり具合は、状態によって様々で、表面にこびり付いただけの状態から、深くまでくい込んだ状態までバラバラです。イメージ図の右の方の酸化していない鉄粉の場合は、上に乗っているだけなので引っ付くことはないのですが、酸化してくると(錆びてくると)引っ付いたりくい込んだりします。 初めは小さな鉄の粉がボディ面に乗っただけの状態ですが、それが時間の経過とともに錆びてくい込むのが鉄粉付着のメカニズムです。 その付着するメカニズム上、錆びるまでの時間は必要なので、上を向いている面(ボンネット・屋根・トランク等)よりは、車両のサイド面(ドアやフェンダー辺り)や下廻りにはどちらかというと付きにくい傾向にあります。 サイド面や下廻りは錆びる前の鉄の粉が滞在しにくく、逆に上を向いている面は鉄の粉がその場に留まりやすいのでこういう傾向になります。鉄粉が刺さる、とよく言いますが、厳密に言うと空中にある鋭利な鉄粉が直接ボディに刺さるのではなく、ボディに粉の状態で乗った後、錆びて引っ付くという事になります。付着してしまうと、自然に取れることはほとんどなく、撤去作業が必要になります。また、どんなコーティングを施工していても鉄粉は一番上に付着するものなので、コーティング施工の有無に限らず付着します。